(前回のあらすじ)
私は駆け出しのボカロ作り手で、2023年2月からパタパタ、いやワサワサしている。活動のセーブポイント的に本稿を綴っていたが、ちょこちょこリライトしてセーブデータが上書きされている状況である。どうでもよい。とにかく本稿は随筆である。ノウハウサイトではないので情報収集の方はお帰りいただいて。。
で、前回はDAW、ボカロソフトについて触れた。今回はプラグインについて。

なお「プラグイン」ってホントはめっちゃ意味広いけど、ここでは楽器の音源とエフェクト系の外部プラグイン(DAWに初期搭載されてないヤツ)をそう呼んでます。界隈だとこの使われ方多いですよね。知らんけど。と言うかぼっちなので「界隈」とかほぼ妄想で語っちゃってるかも。こわいこわい。。

ネットの情報は知らないうちに偏るから怖いのです



エコーチェンバーですね


皮肉屋の魔女キャラ。管理人の意見や趣味に一定の理解を示しつつも、常に皮肉を言う機会を伺っている節がある。
プラグイン。それはDTM界最大の沼。怖くないですか。ハマるといろいろ試したくなる。そこはかとない金銭感覚のディストーション。底のない音探しのディスティネーション。
始めた頃はLogic Proの音源だけで全然満足していたのだけど、何かちょっとマンネリ化するんですよね。この音毎回使っちゃってるな、、みたいな。使ったことない音の方がテンションあがりますよね。いや、エフェクトで何とかしろよって話なんですけど。私はそこに辿り着かなかったですね初期の頃。
今思えば「プラグインに手を出す前にDAWをひととおりイジってみろ」って感じではある。その方が腕も上達するだろうし。とは言え新しいプラグインを触るのは楽しい。と言うか探して買うと言う行為自体が楽しい。趣味としてはお金の掛かる部類だけど、競馬とか乗馬とかやってるヒトよりは支出少ないよね?ソシャゲにぶっこむより生産的じゃない?(個人の感想です)、いいんだ株価上がってるし。
と言うわけで、無名のボカロ曲作り手Saireiが入手した旅の装備一式を並べていこう。なおカテゴリー的に音源とエフェクトをわけて描いてみる。
最初に総合バンドルのKOMPLETEを購入してたり、その他バンドルや何かのオマケ等々、全部挙げると大変なコトになるので個人的に使うor使いたいプラグインのみ適当に列挙する。随時加筆/修正予定。
音源プラグイン
音源プラグインって正直よくわからなくて。音源って言っても、その原音の生っぽさが売りのものもあれば、内蔵してるエフェクトのカスタマイズ性を売りにしているものも。だが、単体でどんなにキレイになっていても、ミックスで潰れたら終了。そう言う意味で、ミックスに馴染みやすい音源が重宝されたりもする。ミックスに馴染みやすい音源って何だよ。
ピアノ、鍵盤系
RHODES V8 PRO
RHODESのローズピアノ。いわゆる本家本流ってヤツですね。その昔、ハロルド・ローズさんがFenderと協力してFender Rhodesと言うブランドを確立しました。やがてRhodesが独立して後継機を作ってたのですが、それがついにプラグインの世界に、、と言うことで何かちょっと話題になってましたね。って何の話だっけ?
とりあえずSairei的には2024.11現在EP部門の主力になっている。だがよく暴れる。
KEYSCAPE
SPECTRASONICSの鍵盤系音源。定番ですね。いい感じのプリセットが豊富。ちなみに私はふと鍵盤叩きたくなった時にコレをスタンドアローンで使う。弾いた内容をMIDIノートとして記録できるのが地味にすごく便利。
EZKEYS 2
TOONTRACKのEZシリーズと言う、お手軽に豪奢な伴奏を制作できる有名音源シリーズのピアノ版である。最大の特徴は指定したコードに沿っていい感じの伴奏を生成してくれること。なおメロディとか食わせればコードもサジェスチョンしてくれるが、その部分は正直イマイチ(個人の感想です)。
Logic Pro 11で似たような機能が実装された。が、まあどうなんでしょうね。EZKEYSの方がバリエーションの幅があるような気がしないでもない。と言うか自分で演奏した方がいいって最近思い始めたところ。
ギター音源
AMPLE GUITAR TCⅢ
ギター音源の定番、AMPLE GUITARシリーズ。これはそのうちFender Telecaster(エレキの銘柄)をサンプリングしたモデル。同シリーズはギターの銘柄ごと別々のパッケージになっており、ギター素人の私はどれ買えばいいのかわからない。と言うことで、全音源視聴して気に入ったヤツを買うことに。定番はSC(Fender Stratocaster)のようだが、この場合特に定番モノに拘る必要はないと判断。
操作方法は難しい(個人の感想です)。適当に音色弄ってMIDIノートを演奏するだけでもキレイに鳴るが、エレキ特有の奏法を再現するにはスイッチ用のMIDIノートとかを駆使する必要がある。「ストラマーモードで簡単にフレーズを演奏!」みたいな紹介動画もあるが、初心者は真に受けてはならない。エレキ触ったことある人ならばわかりやすいのかも知れない。
個人的にはかなり出番が減りつつある。ギターメインの曲はもともとあまり作っていないのと、”ぽいもの”だったら他のシンセの方が楽だし種類多い。ただ、難しいなりに触るの楽しいんですよね。ギターロックを作ることになったらお世話にはなる。
SESSION GUITARIST Electric Mint
生っぽいギターをがっつり入れたい時は、これが楽なんですよね。
ベース音源
MODO BASS 2
IK Multimediaのベース音源。定番。Saireiは何か全部定番モノで揃えることに恥じらう性格であり、長らく敢えて避けてきたのだが(何の意地?)、入れたらやっぱ使いますね。操作は決して簡単ではないのだけど、がんばってコネコネしてると整ってきます。
TRILIAN
SPECTRASONICSのベース音源。古き定番。2009年発売ですって。プリセットの数が数千単位。うーん。多すぎる。まあ使うプリセットはごく限られるんですけど。クセ強めなの多い印象。出番は多い。他の音源でイマイチ低音感物足りない時の救世主。ちなみにWebでよく「ウッドベースが良い」と書かれてるが、いわゆるアコベ(エレキベースのアコースティック版)のことを言ってるっぽい。
EZbass
EZKEYS同様、TOONTRACK社のEZシリーズで同じような特徴を持つ。特にEZ KEYSで伴奏を作った場合、それにあわせるとほぼ自動でいい感じのベースフレーズを叩き出す(手直しは必要だけど)。ベースフレーズのバリエーションに疎い私には、勉強にもなる。
ただ、これもEZKEYS同様、Logic Pro 11で同じような機能が実装されましたね。
ドラム音源
Kick 2
Sonic Academyのキック音源。と言いつつタム、スネア、ベースもカバーしてたりする。キックの周波数をアタックから減衰まで周波数単位で細かく調整出来ておもしろい。Sairei的にはKickのファーストチョイスだったりする。
Addictive Drums 2
XLN Audioのドラム音源。ボカロ界隈では定番中の定番と言われる(2024年現在の話)。何かドラムの音とか作り込む感じでもない時は、この音源のプリセットから選んで使う。無難、、と言うか、無難以上で、普通に良い。好き。
Playbeat 4
Audiomodernのドラムシーケンサー。奥の手ですね。ランダムでかっこいいフレーズを生成。音そのものもかっこいい。私は3から買っていて。3だと基本的にDAWの再生にあわせて音がループしてるだけのイメージだったんで、楽曲制作には致命的に使いづらいなあと思ってた。4ではしっかり改善されていて。MIDIにパターンを記憶させる機能がやばい。これにより曲の展開に合わせて自由にパターンを展開させることが可能となり、一気にSairei的実用範囲に。ただし重い。処理が重い気がする。
Battery 4
Native Instrumentsのドラム音源。UI直感的で使いやすい。
オーケストラ音源
VSL Studio Special Edition 1 & 4
Vienna Symphonic Library のオーケストラ音源。Edition 1は入門と言うか、標準的なオケの楽器一式、的なノリのセット。Edition 4は何か性格暗めの人が選びそうな楽器のセットになっている。(個人の感想です)
シンセ(いわゆる汎用のシンセ)
シンセって言ったらソフトウェア音源って全部シンセじゃんと言う話だけど、何か一般的にシンセって呼ばれてるヤツ。量が多いので別枠へ飛ばしました。ちなみに私の主力はMinimal AudioのCurrentです。(2025.3現在)


エフェクト系プラグイン
ガチのぼっちで真っ白な状態からDTMを始めた私。最初エフェクトとか全然わからない。プラグインも音源ばっかり探して。申し訳程度にiZotopeに手を出して。で、いろいろ試して。FabFilter製品を一式揃えて。今に至る。今っていつだよ。
これまで山ほどのエフェクトプラグインをゲットしたのだけど。最近はFabfilter製品で出来そうなことはFabfilter。なんか違う時はそれ以外って感じで。食指が動くのはエッジの聴いたプラグインですね。以下、私が現時点でも使っている/使う可能性のあるものを挙げていく。
マスタリング系
マスタートラックに差して曲全体をアレコレするプラグイン。
Fabfilter Pro-L2
リミッター。マキシマイザー?そのへん何かよくわからないんですけど。とりあえず最近の私はStereo Outにこれを挿して作業を完了させる。リミッターの良し悪しは私にはよくわからないのだけど、とにかく見やすい。どのくらい音を持ち上げて、どのくらい削ってますよと言うのが可視化されている。
Ozone 11 Advanced
マスタリング用プラグイン。Ozone自体一つのプラグインなのだが、その中の各機能(EQ、マキシマイザー、イメージャーなど)も個別のプラグインとして利用可能な構成になっている。それらのプラグインの膨大パラメータを、曲に合わせて自動で設定してしまうと言うヤバいプラグインだ。私Saireiはなるべく使わないようにしている。だが、何かMIXが破綻して頭が狂いそうになった時に、Ozoneに掛けて全てを忘れる。
チャンネルストリップ系
チャンネルストリップ系のプラグインと言うと、EQ、コンプ等々、各種エフェクトを複合的に掛けられるプラグインが多い。Plugin Allianceとかでアナログ系のやつがたくさん売ってますね。私は以前Neutron、Nectarと言うiZotopeのプラグインを何となく挿していたのだけど。オーソドックスな処理をFabfilter製品で賄うようになってからはあまり使っていない。代わりと言っては何だけど、便利系プラグインや飛び道具系プラグインを使うようになり始めている今日この頃。
Blue Cat’s Patchwork
Blue Cat’s Audioのエフェクトチェーン管理用プラグイン。なんだエフェクトチェーン管理って。それはいいとして、私の愛用DAW・Logic Proなんですけど。Bus/Aux周りのUIが病んでて、センドリターンの調整とかめちゃくちゃ面倒いんですよ。他のDAW知らないからLogicだけディスる感じになってしまって申し訳ないのだけど。Blue Cat’s Patchworkを挿すと、これの中で他の外部プラグインを指しまくって並列、直列でいろいろ組み合わせられるから普通に神。神プラグインと認定します。
Effect Rack
Soundtoyのエフェクトプラグイン。何かエッジの効いたエフェクターが14個くらい内蔵されているヤバいプラグイン。アナログ寄り。
ShaperBox 3
Cableguysのエフェクトプラグイン。何かエッジの効いたエフェクターが複数内蔵されているヤバいプラグイン。デジタル寄り。と言うかデジタル。アナログでもアナログシュミレートでもないからデジタル。誰に何を説明してるんだ。
Equalizer系
EQ。DTM始めてまず最初に聞いて、そして聞かなかったことにしたEQ。でも何か、一年以上アナライザーを見つめて。うん。でもわからん。それでもいい。一歩ずつ進めばいいじゃない。
Fabfilter Pro-Q4
画面が見やすい。操作が直感的。基本、私はEQと言えばこれを使うことにしている。Q3から使い始めて、今Q4。まあ何が変わったのかよくわからないですけど。プリセットは選びやすくなりましたね。
Scaler EQ
Plugin BoutiqueのEQ。Scaleに合わせてEQすると言うヤバいEQ。Scaler2とバンドルされてて、何か飛び道具で使えそうだしなあ、と思って購入。
Compressor
コンプ。これもEQとともに初心者の壁となる概念、と言うか機能。圧縮すると言われましても。。
Fabfilter Pro-C2
何か万能コンプ、らしい。Fabfilter製品の売りって画面の見やすさだと私は認識しているのだけど、C2に関しては正直あんま見やすくない。。なくない? だがそれでも私のメインウエポン。使わないことはまずない。
Fabfilter Pro-MB
マルチバンドコンプ。いやあ、FabfilterのTotal Bundleを買ったのはよいのだけど、使いどころがわからなくって放置してたんですよ。そして時は過ぎて。最近ChatGPTに相談しながら制作するようになったのだけど。MB持ってるだろ、使えって。何かChatGPTはマルチバンドコンプ好きみたいです。知らんけど。
リバーブ/ディレイ
リバーブは、掛けると音が濁る。掛けないと馴染まない。それ以上のことは私にはわからない。
Fabfilter Pro-R2
まあ何かオーソドックスなデジタルリバーブ、汎用性があって画面がわかりやすいやつ。そんなプラグイン一個は必ず欲しいですよね。
Timeless 3
Fabfilterのディレイプラグイン。何かすごいムズい。頑張って使ってる。
Raum
Native Instrumentのリバーブ。めっきり使わなくなったKOMPLETEの各プラグインの中で、未だに存在感を放つ強烈リバーブ。何か極端なやつです。だが、それがいい。それでいい。UIはアナログチックだが、何故かわかりやすい。
Adaptiverb
Zynaptiqのリバーブ。何か超ロングリバーブのヤバいやつ。CPU負荷も結構ヤバい印象。
Blackhole
Eventideのリバーブ。何かすごいリバーブ。名前からしてすごい。リバースディレイっぽいのもイケる。
Space Rider
Wavesのマルチエフェクター。リバーブ、ディレイ、コーラスをレンジ持たせて調整できるやつですね。かなりがっつり掛かるので、油断するとすぐ破綻する。私的には、一時期ちょっと漁ってたWavesプラグインの唯一の生き残り。
その他エフェクター
Saturn 2
Fabfilterのサチュレーター。柔軟なUIで非常に複雑な処理を実現してくれる、、のだが複雑過ぎてよくわからない。プリセットで上手くいってても気安く触れないのが今の私のレベルである。ChatGPTはやたらとコレ使えと言ってくる。MBと並び、ChatGPTの2大お気に入りプラグイン。(Saireiの環境での話です)
Fabfilter Pro-DS
Fabfilterのディエッサー。まあ私はボカロ系なのですけど。ボカロにディエッサーってどうなのって感じもしますけど。何かたまに使いますね。
Fabfilter Pro-G
Fabfilterのノイズゲートプラグイン。Fabfilterらしい、見やすくわかりやすいUI。でも私、ゲート苦手なんですよね。何かアレじゃないですか。だから怖くてピンポイントでしか使う気しないんです。けど、ピンポイントだったら波形にして処理した方が安全じゃんってなる。
Output Portal
Outputのグラニュラー。Blackholeと並んで、何かPlugin Boutiqueのトップページに頻繁に登場する何か。
Efx Fragmentsal
Arturiaのグラニュラー。グラニュラーがマイブームになる時って、人生に何回かはありますよね。
Vocal Synth 2
iZotopeの、、なんだ? ボーカル系ディストーションプラグインとでも言っておこう(適当)。ボコーダーとかフォルマントシフトとか何かいろいろできる。各パラメータがそれぞれどんな効き方するのかよくわからなくてムズい。何かボーカルにもうひと押し!みたいな時に、並列で少し混ぜる感じで私は使っている。
Trash
iZotopeのディストーションエンジン。原音をゴリゴリにいじって異次元のディストーションを行う。こう言う機能はいくらあってもよいですね。ただ遊びすぎると意味不明な曲になっていく。ただ、膨大な処理を組み合わせるから意味不明になるのであって、余計なことをしなければ意外に洗練されたシンプルなエフェクトだったりする。
Stutter Edit 2
iZotopeのマルチエフェクトプラグイン。刻んだり逆再生したりする効果をMIDIトラックからセンド出来る。MIDIキーボード適当に押してくとたまにおもしろい効果がハマる時がある。MIDIで操作するエフェクトよいですね。オートメーション不要だし、ダメなところはノート削るだけ。タイミング明確にわかるので調整やすい。だがムズい。
chipcrusher
Plogueのマルチエフェクトプラグイン。どんな音でもスーファミっぽく。と言うかいろんなことが出来そう。何か元の音の原型ないくらい変えちゃうから、微妙な気分になる。(dry/wetの比率は自由に調整可能)
Studer A800 Tape Recorder
Universal Audioのテープレコーダーエミュレーションプラグイン。何て長いカタカナ。要はカセットテープっぽい質感を出すためのエフェクター。画面はマジで全然意味わからん。別に複雑なわけじゃないけど、パラメーターが私には謎すぎて。インプットとアウトプットだけ調整して、後は気分次第。
分析系のツール
直接音に影響を与えない、何か確認するためのツール類。
Tonal Balance Control 2
iZotopeのスペクトラムメーター。iZotope製品を買った時についてた。トーンバランスに特化したやつ。ターゲット曲線みたいのがあって、とりあえず枠内に入ってると何か安心する。
終わりに
ハードウェア編は↓に。


今後とも精進する。
自作曲PR ↓
Share your opinion!